Kampf Riesen Mars/REISEN-PANZERIII III号人型重機






REISEN-PANZERIII III号

rp3_2 ドイツ製。製造はロージック(Rojick)社。

ハインケル社から開発を引き継いだロージック社はドイツルール地方にある老舗の兵器メーカーで、その前身は中世の甲冑職人集団であったとも言われている。そのためか、彼らは人型を模した機械の扱いに手馴れたところが有り、その勘所も良く心得ていた。1940年に完成したII号人型重機は、前年にハインケル社が送り出したI号と比べて遥かに人型に近いシルエットをしており、より洗練された機能美を備えていた。

II号に続いて行われたIII号重機の開発には、ドイツと同盟関係にある日本の意向が強く反映されていた。意外にも海軍主導でなされた日本からの要求には、操縦室の気密化と水中航行能力の附与という一見陸戦兵器らしからぬものも含まれていた。これは南太平洋における上陸作戦を考慮したものであったのだが、同時期ドイツでもイギリス上陸作戦を想定した各種兵器(シュノーケル付きIII号戦車など)が開発されており、用兵側の要求が両国で一致しているのは当時の枢軸側の勢いを反映した結果であるとも言えた。

rp3_3本来であれば新たに組み込んだ水中推進装置を支えるため、最低でも脚部だけは新規に設計し直すべきであったが、1年以内に4個中隊(分隊)分36台を揃えたいという日本側の要望もあって、ロージック社はハンケル社から提供されたT号重機の脚部を前後逆に組み付けると言う何とも「荒っぽい」設計仕様をまとめ上げた。しかしこれは必要以上に強靭な足腰を付けることで、(可動域においては若干の制限はあるものの)大重量の携行兵器を運用できるだけの余裕をこの新型重機に与えることとなり、結果としてこれは成功であった。

こうした「やっつけ仕事」で生み出された新型人型重機ではあったが、受け取った日本側からの評価は非常に高かった。ただし、同時に送られた専用火器が20mm機関銃24丁と予備弾丸10,000発のみであったことが、火力不足を指摘する声を現場の指揮官から上げさせることになり、一時日独間の同盟関係にも水を差す事態に発展してしまった。

日本が輸入したIII号重機は太平洋戦争末期に完成した新型戦艦に配備されてアフリカ方面に向かったようであるが、具体的な戦果は今のところ不明なままである。