Kampf Riesen Mars/REISEN-PANZERIV IV号人型重機






REISEN-PANZERV号

rp4_2 ドイツ製。製造はフェルダー(Felder)社。

1941年の戦闘において、対火星人用兵器の再右翼であるW号人型重機は早くもその性能不足を露呈してしまう。火力、機動力、戦術の柔軟性。それらのどれもが、火星人側人型兵器に大きく見劣していたのだ。慌てた陸軍兵器局はこれまでの方針を変更し、ロージック社のみに限定していた人型重機開発を他のメーカーに解放する事を決定する。

ロージック社と同じく、大手メーカーの下請けとして部品供給を行っていたフェルダー社はドルトムントに本社を置く工業用モーターの新興メーカーであった。大手強豪のボッシュ社にことごとく大型受注を奪われていたフェルダー社は、社運を賭けたプロジェクトとしてこの新型人型重機開発に名乗りを上げる。ハインケル社製のI号重機から一貫して一連の人型重機用に駆動用モーターを供給していたこともあり、フェルダー社の技術陣は随所に先行するIII号、IV号のパーツを流用しながら、初参入とは思えない手堅い設計案をまとめ上げた。実際、V号の腕部はIII号人型重機の脚部を流用して設計されており、それは元を辿ればフェルダー社がI号重機の脚部としてハインケル社から依頼されて設計したものでもあった。

rp4_3フェルダー社のこだわりは、V号の特徴とも言える大型の脚部に表れていた。これは簡単な操作で変形が可能で、6輪全てを接地させた「高速走行モード」では双輪式装甲車を上回る走行性能を発揮した。また人型重機初の複座による操縦方式を取り入れた点も斬新で、操縦手と射撃手を分けることで、より正確な射撃ができるようになっていた。

その高い走破性能から一部では先行して配備された南極基地防衛用にワンオフで作られたものだと言われたりもしたが、それは誤りである。その証拠に、南極に配備された車両も含めて操縦席には側面はおろか正面にも風防ガラスが取り付けられていない。極寒の南極用に開発されたものであれば、ここは確実に密閉されているべきである。

試作機を運用した部隊からの評価は良好で、サイズ的に余裕があったことから、88o対戦車砲などの大型砲を無理なく使用できるなど、なかなか勝手の良い車両であった。問題はその製造コストで、車体上下と両脚に発電用エンジンと大型モーターを備えた「贅沢仕様」のV号重機はその製造にW号人型重機4両分の資材とコストを必要とした。またパイロットの損耗も問題で、複座式であるが故にただでさえ数の少ない人型重機搭乗員を倍の速度で消耗させてしまう点も問題とされた。その結果、正式採用の喜びも束の間フェルダー社はその製造数を極少数に限定する旨を軍部から通達されてしまう。何はともあれ、1945年に晴れて正式採用となったV号人型重機は、当時の戦車に愛称を付ける慣例にならって、ツェンタオア(空想上の半人半獣の生物)と名付けられた。
製造は全て南極の工場で行われたが、1945年に南極基地が放棄されて以降この車両を装備した部隊がどこへ向かったかは、正確な資料が残っていないため現在のところ不明なままである。